KPI設計の4要素とSMARTモデルとは?設計フローも合わせて解説
2024年03月08日
IT(技術/活用)
KPI設計はビジネスを成功に導くための重要なプロセスです。
組織や部署をうまく動かすための基盤になるだけでなく、企業全体の事業や各部署の活動についての評価をする上でも活用できます。
この記事ではKPI設計のフローをまとめました。設計の基礎になる4要素とSMARTモデルについても紹介します。KPI設計によって組織を動かし、目標の達成に向かっていきましょう。
そもそもKPI設計とは
KPI設計とは、企業や事業、部署の目標を達成するために、合理的にKPI(重要業績評価指標)を決定するプロセスです。
目標達成に向けた業績や成果を測定・評価するために設定されます。
KPI設計の目的
KPI設計の主な目的は、企業の目標達成をサポートするために適切なKPIを設定することです。このプロセスは以下の点で重要となります。
目標達成への動機付け:KPIを設定することで、従業員が企業の目標に向けて動きやすくなります。具体的な数値目標をKPIとして定めることで、業務の進捗や成果を定量的に評価できます。
個々の貢献の明確化:設計したKPIに基づいて、各社員が自分の業務を通じてどのように貢献できるかを具体化することが可能です。
公正かつ公平な評価:KPIを活用することで、企業は社員の業績を公正かつ公平に評価できます。
社員のモチベーション向上:社員は、KPIを基に成果を出し、高い評価を受けるための方向性を理解でき、モチベーションを高めて業務に取り組むことができます。
企業目標への貢献:適切なKPI設計により、社員は企業目標達成に向けた具体的なアクションを起こしやすくなります。
KPIのSMARTモデル
KPIの指標を選び出すときにはSMARTモデルがよく用いられています。
SMARTは以下の5つの重要要素の頭文字を取っています。
- ・明確性(Specific)
- ・定量性(Measurable)
- ・達成可能性(Achievable)
- ・関連性(Relevant)
- ・適時性(Time-bound)
明確性は具体的な目標を決めること、定量性は測定可能な目標であること、達成可能性は、実現できる目標であること、関連性は現在の状況に関連していること、適時性は期限をつけた目標であることです。
このSMARTモデルに基づくと、例えば以下のようなKPI設定ができます。
- ・新規契約数2件/年
- ・販売数1,000個/日
- ・フォロワー増加数100人/月
- ・FL比率50%
KPI設計の4要素
KPI設計では以下の4つの要素を考えてトップダウン式に作り上げます。
- ・KGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)
- ・KSF(Key Success Factor、重要成功要因)
- ・KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)
- ・KDI(Key Do Indicator、重要行動指標)
KGIは最終的に達成したい目標のことで年間売上高や営業利益などを目標として定めるのが一般的です。
そして、KGI達成のために必要な要素を大枠で抽出したのがKSFです。例えば原価調整、業務システムの導入、顧客調査の実施などがKSFに該当します。
そのKSFを満たすために具体化した指標がKPIです。原価率30%以下といった指標をKPIとして立てられます。KPI設計ではKDIまで考えると社員のアクションにつながります。
KDIは個別のアクションを具体的な数値目標にしたものです。原材料費を4月~10月で2%削減といった指標がKDIにあたります。
KPI設計フロー
KPI設計では、前述の4つの要素を順番に決めていくのが基本フローです。
以下の流れでKPIを決定し、KDIに落とし込んで社員の具体的な行動目標を決めます。
- ・KGIの設定
- ・KSFへの具体化
- ・KPIの選定
- ・KDIへの落とし込み
- ・KPIツリーによる可視化
KGIは1つにして、個別にKSFを考えていきます。KSFはできるだけ広く考えて目標達成のアイデアを創出することが重要です。
そして、KSFに直結するKPIを厳選します。KPIは多ければ良いわけではありません。組織が一丸になって目指す数値目標は覚えられるくらいの数が適切なので、2~4つを目安にKPIを絞り込みましょう。そして、KPIに関連する要素を具体的にKDIにして、部署目標や個人目標として設定します。
最後に、この一連のKPI設計の流れを図にしたKPIツリーを作成して可視化すると、全体像がわかりやすくなります。
KPIツリーはKGI-KSF-KPI-KDIが一貫しているかどうかを評価するのに有効な方法です。社員に公開すれば、自分の貢献がどのような流れで企業に貢献できているかがわかるので、モチベーションアップにもなります。
まとめ
KPIは、業績評価における重要な数値目標であり、企業の目標達成に向けた取り組みに不可欠です。
KGIとKSFに基づいてKPIを設計し、KDIに落とし込むことにより、企業目標の達成を目指す組織全体の取り組みが整えられます。
KPIツリーを用いることで、これらの指標がどのように連携し、全体的な目標達成に寄与しているかを可視化し、理解しやすくなります。
KPI設計においては達成可能で具体的な目標を選定し、設定することが重要です。そうすれば、目標達成に向けた効果的で効率的な進め方を確立することができます。
組織が一丸となって取り組むことで、企業目標達成への最短ルートを進むことが可能になります。