サイバーセキュリティに精通した人材育成を強化する必要性と実現方法
2023年04月14日
セキュリティ
近年、サイバーセキュリティ人材の確保は国内において重要課題の一つであり、対応が急務となっています。
なぜサイバーセキュリティ人材の確保が重要なのか、この記事では、企業におけるサイバーセキュリティ人材育成を重視するべき理由と、人材育成を強化するための方法について解説します。
サイバーセキュリティ人材育成が重要な理由
サイバーセキュリティ人材育成の重要性が増している理由として、次の3つが挙げられます。
セキュリティ人材の不足
国内では人口減少や高齢化による人手不足が進み、とくにIT・セキュリティ人材の不足が問題視されています。
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社が2020年に行ったアンケートによると、「セキュリティ対策に従事する人材の充足状況」という設問に対し、人材不足を訴える企業が86.2%という結果が出ています。
参考:企業における情報セキュリティ実態調査「NRI Secure Insight 2020」 / 情報セキュリティのNRIセキュア
また、経済産業省が公表したデータによると、IT人材不足数は2030年時点で最高約80万人規模となる試算が出ていることからも、人材不足の深刻さがわかるでしょう。
参考:IT人材育成の状況等について 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課
スキルのある人材採用は難しい
企業にとってスキルのある人材採用が難しいことも、人材育成が重要となる理由の1つです。
企業が求めるスキルや経験のある応募者が少なく、企業は自社の求める応募者を集めるのが難しい状況になっています。
また、近年採用の売り手市場が続いていることから採用活動の手法は多様化しており、採用を強化したくても、リソース不足に悩む企業が多いのも実情です。さらには、たとえ人材を雇用しても即戦力になる人材は少なく、入社後に研修を行う必要が出てくるため、さらにリソース不足に陥ってしまうケースもあります。
そのため、企業はセキュリティ人材育成を強化するための取り組みが重要となっています。
サイバーセキュリティ人材育成を実現するには
セキュリティ人材育成を実現するためには、次の方法が挙げられます。
社内で育成する
サイバーセキュリティ人材を自社で育成する方法です。既存の人材に研修や教育をすることで、セキュリティ人材を育成します。
しかし、社内で育成と言っても、自社での人材育成は困難なケースが多いでしょう。人材育成には、中長期的な取り組みが必要なため、育成にかかる時間や人的リソースを配分できず、取り組みが進まない企業が多く存在します。
資格の取得でスキルを把握する
資格を取得し、人材のスキルを可視化する方法もあります。資格取得制度を用意して社員の資格取得を進めることで、実践的な知識や技能を習得し、自社で活躍できる人材として育成することができます。
資格取得を推奨することで、社員の持ちベーションアップや企業のイメージアップにつながる効果も得られるでしょう。
外部研修を活用する
外部で提供している研修を活用するのも方法の1つです。
社内のリソースが不足している企業は、セキュリティの専門家が提供する外部研修を活用するほうが効率的に育成を進められるでしょう。
あるいは、業務をアウトソーシングすることで、リソース不足を解消し、自社のセキュリティを強化することにつながります。
まとめ
国内のセキュリティ人材は不足が顕著となっており、人材育成は急務です。しかし、売り手市場が進み、企業の採用活用は困難を極めていることから、スキルのある人材を確保するのは難しいのが実情です。
社内研修や資格取得、あるいは外部の研修やアウトソーシングを活用することで、セキュリティ人材を育成する必要があります。
企業は自社の資産を守るために、セキュリティ人材の育成に向けて、早急に取り組みを始めることが必要です。