ブロックチェーンをベースにしたNFTとは?利用において想定される3つのリスク
2023年04月24日
Web3.0
NFTはブロックチェーンを基盤にした新しい分野ながら急速に注目を集め、ビジネスに活用する企業も増えています。
本記事では、NFTとは何か、また利用する際のリスクと対策方法について解説します。
NFTとは?
NFT(Non-Fungible Token /非代替性トークン)は、ブロックチェーン技術を用いて発行する暗号資産の一つです。
デジタルアイテムの独自価値や所有権を証明できる仕組みのため、デジタルアート・音楽作品・アニメ・漫画作品やゲームアイテム、会員権・不動産などの権利販売や取引などに活用されています。
ブロックチェーンとは?
ブロックチェーンは、特定の企業が情報を管理するのではなく、「ノード」と呼ばれる世界中のコンピュータにデータを分散することで、改ざんや破壊の困難な技術を作る技術です。
多くのコンピュータに取引情報がブロックとして記録され、鎖状につながっていくことから、ブロックチェーン技術と呼ばれています。
ブロックチェーンとNFTの関係性
従来のデジタルデータはコピーや複製が可能で容易に量産できるため、希少価値がありませんでした。
しかし、ブロックチェーン技術は改ざんが困難なことに加え、著作権や所有権情報が記録されるため、データがコピーされても偽物であると簡単に証明できます。
そのため、デジタルデータに唯一無二の価値を付加できるようになり、デジタルアートなどの作品が希少価値を持つようになりました。75億円でデジタルアートが落札され話題になるなど、アートやゲームといった領域を中心に活用事例が増え、市場は急速に拡大しています。
NFTの利用で想定されるリスク
デジタルデータに唯一無二の価値を付加できるNFTですが、利用にはリスクも存在します。主な想定されるリスクは、次の3つです。
著作権侵害
NFTには、著作権侵害を増加させるリスクがあります。NFTは誰でも作成・販売でき、制作者でなくてもデータをNFT化して出品できてしまうため、市場では著作権を侵害しているコンテンツも販売されています。
詐欺の横行
詐欺の横行による被害のリスクもあります。たとえば、デジタル作品を勝手にコピーしてNFT化することで偽のNFTを購入させるといった手口が見受けられます。
環境破壊につながる
NFTで用いられる「PoW」というアルゴリズムでは、取引のたびに新たなデータのブロックが作成される仕組みで、ブロックの作成に必要な「マイニング(取引データの整合性の承認作業)」という作業に大量の電力を消費します。そのため、マイニングによるカーボンフットプリント(生産活動における温室効果ガスの排出量をCO2に換算した値)の増加が懸念されています。
NFTのリスク対策
上記のようなリスクによる被害を防止するために、対策が重要です。
偽物のNFTを購入しないように、出品者や販売元が正規のものかを入念にチェックする必要があります。出品者の公式サイトやSNSで公表している情報や、過去の出品作品を確認し、整合性を判断しましょう。
また、真贋を判定できるサービスを利用する方法もあるため、事前に確認をしたうえでリスクを軽減することが必要です。
まとめ
NFTはデジタルデータの改ざんを困難にし、独自価値の証明が可能になる技術です。
ゲームやアートといった分野でさらなる活用が見込まれるほか、会員権の販売などの領域でも活用されています。今後新たなビジネスモデルが生まれる可能性もあり、さらなる市場の拡大が期待されます。
ただし、環境への負荷が懸念されていることや、著作権侵害や詐欺の横行などリスクもあるため、利用には注意が必要です。