【クラウドコンピューティングとBCP】BCP対策で知っておきたいポイントを紹介
2023年05月08日
IT(技術/活用)
近年BCP対策の重要性が改めて注目されるようになり、BCP対策にクラウドコンピューティングを活用する企業が増えています。
本記事では、BCP対策の必要性や、クラウドコンピューティングがBCP対策に適している理由を解説します。
BCP対策とは?
BCP(Business Continuity Plan)とは、「事業継続計画」のことを言います。
非常事態が発生した際に、被害を最小限に抑えつつ事業を早期復旧し、継続するための計画や対策のことです。
ここで言う「非常事態」には、自然災害のほかサイバー攻撃や感染症の流行などが挙げられます。近年のコロナウイルスの流行による影響で、改めてBCP対策の重要性が注目されています。
BCP対策の必要性
BCP対策は、緊急事態で事業を継続できなくなることによる、機会損失や事業縮小、倒産といったリスクを回避するために不可欠です。
備えを十分にしておかなければ、いざというときに早期復旧が困難になります。そのため、常時から計画を策定し運用する必要があります。
また、非常事態でも事業継続が可能な体制が整っていれば、企業価値を高めることにつながります。BCP対策を適切に行うことで、顧客や取引先からの信頼を獲得することにもつながるでしょう。
BCP対策にクラウドコンピューティングが適している理由
BCP対策には、クラウドコンピューティングが一般的な選択肢として挙げられるようになっています。
その理由には、次の3つが挙げられます。
データを安全に保管できる
クラウド上にデータを保存することで、安全にデータを保管できます。
クラウドサービスを利用すれば、自然災害に強い構造のデータセンターに保管できるため、データの安全性を確保できます。
リモートワークで事業を継続できる
クラウドサービスを利用することで、リモートワークの導入を実現できます。
リモートワークの導入により、インターネット環境があれば、従業員はいつでもどこでも仕事ができるため、たとえ災害などで従業員がオフィスに出社できなくても事業を継続できます。
低コストで導入できる
クラウドサービスの導入には、高額な初期費用がかかりません。なかには初期費用が発生しないサービスもあるため、コストを抑えて導入が可能です。
予算が課題でBCP対策の導入や運用が難しい場合でも、クラウドサービスであれば選択肢として検討しやすいでしょう。
BCP対策にクラウドコンピューティングを利用するデメリット
クラウドコンピューティングをBCP対策として利用するには、メリットも存在します。
たとえば、クラウドサービスの利用にはインターネットが必要なため、インターネットが利用できない場合には、事業継続が困難になります。そのため、バックアップ回線の用意が必要です。
また、安全性の高いデータセンターでも被災する可能性はあります。クラウドサービスとは別に、遠隔地にバックアップを保管する体制を整えておき、リスクを低減することも必要です。
BCP対策に適したクラウドサービスの選び方
BCP対策にクラウドサービスを選ぶ際には、複数のデータセンターを保持しているサービスを選びましょう。データのバックアップとして、3つのコピーを保持することで大きなリスク低減になります。また、自社と2つのデータセンターにデータを分散して保存することで、データの復旧も容易になるでしょう。
さらに、毎日クラウドへデータのバックアップが自動で行われる機能があれば、直近のデータを復元して利用できるため安心です。
まとめ
BCP対策は、非常事態に事業を早期に復旧し継続するための対策のことで、近年改めて注目を集めるようになりました。
クラウド上にデータを保管することで場所を問わず業務が可能になることから、BCP対策にはクラウドが一般的な選択肢として利用されています。
ただし、クラウドサービスの利用にはリスクもあるため、リスクの内容を理解したうえでサービスの選定や運用計画を策定することが大切です。