海外のデータセンターを使用するときに注意したい5つのリスクを解説
2023年05月08日
IT(技術/活用)
国内でのデータセンターの市場規模は拡大傾向にあり、今後も順調に成長することが予想されています。しかし、なかには海外データセンターの利用を検討している企業もあるでしょう。
本記事では、海外のデンターセンターを利用する際のリスクと、海外データセンターの利用に向いている企業の特徴について解説します。
海外のデータセンターとは?
サーバーの設置場所が海外にあるデータセンターを、海外のデータセンターと言います。
データセンターとは、サーバーなどのハードウェアを設置・運営する安全性の高い施設のことです。データセンターには、免震や耐震構造、自家発電設備のような電力供給設備が備わっているほか、監視や故障などの対応も行ってくれます。
海外データセンターを選ぶメリットには、土地代や電気代が安いほか、場所によっては人件費が安い場合があり、費用が国内よりも安くなるといった点があります。さらに、自然災害のリスクが日本よりも低いため、安全性が高い点もメリットです。
海外のデータセンターを使用するときのリスク
海外のデータセンターの利用にはメリットもありますが、次のようなリスクも存在します。
セキュリティ面での不安
データセンターがある国や地域によっては、IT技術が発展しておらず、セキュリティ対策が弱い場合があります。また、海外は日本と比べ治安のよい場所は少ないです。データセンターが物理的に破壊されるなどのリスクも想定されます。
電力供給が不安定
国や地域によっては、インフラが発展途上で電力供給が不安定な場合があります。サービスを選定する際には、あらかじめ電力供給について確認しておく必要があります。
法律の違い
海外ではデータに関する法律が日本と異なるため、取り扱いに注意が必要です。サーバーを設置している国の法律を確認しておくことが必要になります。
また、個人情報保護法では、外国にある第三者に個人データを提供する場合に同意の取得が必要とされています。事業者がサーバーのデータを取り扱う場合には同意が必要になる点にも注意しましょう。
アクセスに時間がかかる
サーバーと物理的な距離があるため、日本からのアクセスに時間がかかる場合があります。日本のユーザーからの利用を想定している場合には注意が必要です。
日本語でのサポートがない場合がある
海外データセンターを利用する場合には、日本語でのサポートが受けられない場合もあります。そのため、サポートを受けるには、英語などの外国語での対応が必要になることに注意が必要です。
また、トラブルが発生しても時差の問題で迅速なサポートが受けられない可能性がある点にも注意しておく必要があります。
国内のデータセンター利用が適している企業の特徴
国内のマーケットのみを対象にした事業を展開している企業や、海外への進出を考えていない企業、英語や外国語によるサポートでは運用が難しい企業は、国内データセンターの利用が向いています。
また、クラウドサービスをよく利用する企業についても、安定した電力やセキュリティを提供している国内のデータサーバーを選ぶほうがよいでしょう。
まとめ
データセンターには国内と海外があり、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。
海外のデータセンターは、コストを抑えたい場合や、海外ユーザーからのアクセスを集めたい場合に利用するとメリットが大きくなります。ただし、海外データセンターの利用にはリスクもあるため、事業のマーケットが国内のみを対象にしているのであれば、国内のデータセンターを選ぶほうがよいでしょう。
データセンターを選ぶ際には、それぞれの特徴を把握し、自社に適したものを選ぶようにしましょう。